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G・スターダスト

わかりあえないことから (2015/02/15)

という本を読みました。

 

劇作家・演出家の平田オリザさんの著作で、

2012年に出版されたものです。

 

副題に「コミュニケーション能力とは何か」とあり、

「現代口語演劇理論」の提唱者として知られている氏が

<コミュ二ケーション>というものをどのように考えているのか

ということに興味を持って読み進めました。

 

内容はもう少し根源的・哲学的なものを勝手に想像していたのですが、

もう少しとっつき易く・読みやすいもので(新書なのでよく考えたら当然)、

近代化・国際化が進んだ現代日本の教育現場や職場等における

「コミュニケーション」や「ことば」をめぐる諸問題から議論をスタートさせ、

「会話」ではなく「対話」を重視した合意形成や、「コンテクスト」(文脈。

「その人がどんなつもりでその言葉を使っているか」の全体像)を理解する

能力の醸成、「シンパシー」(同情)から「エンパシー」(共感)をベース

とした他者理解の試み、(「協調性」ではなく)「社交性」を高めてゆくことの

必要性等々を説くにいたる非常に読み応えのあるもので、示唆に富む論考

が随所にあり、非常に刺激を受けました。

 

自らの仕事にからめて、重要だと感じた部分を1ヵ所だけ引用しておきます。

 

*****

東日本大震災以降、リーダーの資格ということが多く問われてきた。大学でもリーダー

シップ教育が、声高に叫ばれている。

通常、そういった場面で言われるリーダーシップとは、人を説得できる、人びとを力強

く引っ張ってゆく能力を指す。しかし、私は、これからの時代に必要なもう一つのリーダ

ーシップは、こういった弱者のコンテクストを理解する能力だろうと考えている。

社会的弱者は、何らかの理由で、理路整然と気持ちを伝えることができないケースが多

い。いや、理路整然と伝えられない立場にあるなら、その人は、たいていの場合、もはや社

会的弱者ではない。

社会的弱者と言語的弱者は、ほぼ等しい。私は、自分が担当する学生たちには、論理的

に喋る能力を身につけるよりも、論理的に喋れない立場の人びとの気持ちをくみ取れる人

間になってもらいたいと願っている。

*****

 

 

 

 

 

 


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