活動ブログ
  1. ホーム
  2. 活動ブログ
  3. G・スターダスト
  4. 私たちの暮らしている社会について

G・スターダスト

私たちの暮らしている社会について (2014/11/24)

突然ですが、私は、今の日本社会を読み解くキーワードは「貧困」(そして、反「貧困」としての「社会的包摂」(social inclusion)という考え方)だと思っていて、最近はますますその感を強めてるんですね。

そして、この国における「貧困」の問題を考えることは、幼い頃から私に生き苦しさを感じさせ続けてきた「ある種の空気」の正体を知り、それに抗うための手がかりのような気がしています。うまく言えないのだけれど。

 

という訳で、今日は自宅で子供の相手をしながら、書庫から以前に買った(以前に読んだのかどうかはその他多くの本と同様すっかり忘れた)本を引っ張り出してきて、読んでいました。

 

以下、岩田正美「現代の貧困」(2007年 ちくま新書)より抜粋。ここで書かれている状況は、「リーマンショック以前」のものですが、現在、状況は好転するどころか、ますます悪くなっているように感じています。

 

どうすればよいのか?無知な私には分かりませんが、まずは「現実から目を逸らさない」こと、そして「他人ごとだと思わない」ことだと思っています。

 

 

*****

誤解を恐れずに言えば、他者に対する配慮や公正さについての異議申し立てがたえずなされるような、あるいは社会を構成するメンバーの連帯や社会統合に焦点が当てられるような社会では、「あってはならない状態」の範囲が広くなり、そうでない社会では逆に縮んでいくのではないか。それは、貧困問題を社会の責務として進んで引き受けようとする社会の成熟度による違い、と言うこともできる。繰り返し述べるように、そのような「あってはならない」とされる貧困の大きさは、社会それ自体の経済的な豊かさとは関係がない。むしろ貧困を「再発見」していく「目」や「声」の大きさとかかわっている。(P45)

*****

 

*****

このように現代日本で、あらためて学歴格差がクローズアップされるのは、今日の社会に次のような変化があるからだ。

その一つは、先にも述べたポスト工業化とグローバリゼーションの進展による経済社会の変化である。ポスト工業化社会では、高度な知識や技術を要する金融や情報などのサービス労働と、マクドナルド・プロレタリアートなどと呼ばれる熟練を要しないサービス労働とに二分化する傾向にあることはすでに述べた。今や、人的資本の投下量=学歴は、人々がそのどちらに振り分けられるかを決定する大きな要因となっている。

二つには、中卒者が「金の卵」と呼ばれた時代には、学校から職場への移行がスムーズに行われ、企業に採用されてからはそこでスキルを身につけていくという日本的慣行があったが、近年になってそれが揺らぎだしたということがある。企業は即戦力になる人材を求めるようになり、とりわけマクドナルド・プロレタリアート型の労働者の場合、短期雇用で使い捨てにされる傾向が強まっている。

三つ目は、多様な技能や経験を基礎にした自営業・小経営分野の衰退がある。こうした分野は学歴とはあまり関係がなく、人々が技術を磨くことで安定した職業生活が送れるような場を提供していたが、その道が閉ざされてきているのである。

こうした変化の中で日本は、学歴社会がよりいっそう重要な意味を持つような社会になってきたのである。(P143~144)

*****

 

*****

2002年に厚生労働省が実施した全国母子世帯等調査を見ると、母子世帯の9割が離婚や未婚の母などで、その8割以上が就労している。このように高い就労率にもかかわらず、年間の平均収入額(平均世帯人員3.36人)は212万円と低い。

就業している母が「常用」の場合でも、平均就労収入は252万円、「臨時・パート」では110万円にすぎない。「常用」の約4割が200万円未満、「臨時・パート」の5割が近くが100万円未満という低さである。持ち家率は全体で15%強でしかない。

以上のように離婚は女性の貧困に様々な影響を与えることが分かっているが、男性の場合についてはよく分かっていない。せいぜい養育費を払わない男性が少なくないとか、父子世帯の問題として取り上げられるかの、どちらかであろう。しかし、先のホームレス調査では、結婚経験があってもそのほとんどが離婚している。(P149~150)

*****

 

*****

家族も資産と同様、貧困への「抵抗力」としての役割を果たすことがある。子供のの扶養費が貧困の一因となる一方で、家計を家族みんなで支えることで収入を増やし、あるいは支出を節約することができる。仕送りや資産贈与、相続などによって、家計を別にする家族同士が助け合うことも少なくない。

「不利な人々」はこのような「抵抗力」さえもたない。資産もなければ、支えあえる家族もいない。つまり、その「抵抗力」が弱いために、「不利」なのだともいえる。(P153~154)

*****

 

*****

少し前に「下流社会」という言葉が世間の話題をさらったが、戦前の日本の貧困層を表す言葉としては「下層社会」があった。「下流社会」にせよ「下層社会」にせよ、その意味するところは一つの社会の中にもう一つの社会が存在するという点にある。先に述べた社会的排除と闘うヨーロッパの社会的包摂(social inclusion)策は、現代の先進国を再び寝食しかかっている、このもう一つの社会の形成に歯止めをかけることによって社会を安定させることをそのねらいとしている。つまり、社会的包摂という新しい理念による貧困対策は、明らかに社会それ自体の救済を意図しているのである。(P208)

*****


2019年3月
« 2月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

NPO法人 1to1 ワントゥワン

千葉県船橋市前原東3-36-1
» アクセスマップ
営業時間: 9:00~18:00(月~金)

お問い合わせは TEL 047-411-6816

メールでのお問い合わせ

  • リンク集
  • ぐらすグループ