活動ブログ
  1. ホーム
  2. 活動ブログ
  3. G・スターダスト
  4. 東北紀行2019 忘備録

G・スターダスト

東北紀行2019 忘備録 (2017/05/07)

2012年より毎年、5月の連休は、家族と東北の被災地を巡る旅に出かけることにしている。

 

今回は、5月3日~5日の3日間で、仙台市内→名取市(閖上地区)→東松島市(宮戸島 ※3年前のぶろっさむ旅行以来の再訪)→東松島市(小野地区)→石巻市(牡鹿半島~金華山)→女川町と巡った。

 

 

旅の理由であったり目的についてはいくつかあるのだが、大きなものとしては、3つ。

 

一つは、その他すべてのことに繋がってくるのだが「先の震災で被災した東北という地域のことを関東圏に暮らす人間として『忘れない』ため」。もう少し言うと、「ある時間を、その場所に身を置くことで、『そこで過去に起きたこと、今まさに起きている変化、これから向かってゆくであろう未来について考える』ための物理的な時間を確保するため」。

 

一つは、「関東で稼いだなけなしのお金を、どうせならば東北の地で直接消費することで、少しで現地も経済の循環・活性化に貢献したい」というシンプルな動機に基づくもの。

 

そしてもう一つは、「被災した地域が再び立ち上がり<再生>してゆく姿を、定期的に現地に足を運んで見届けることで、これから先の時代を生き延びてゆくためのスピリットや考え方を学び、千葉の日常生活へと持ち帰り、実践に移してゆくため」である。

 

大げさに聞こえるかもしれないけれど、私は割と本気でそういうことを考えている。

 

 

 

というのも、関東圏、特に私(たち)の暮らす千葉県東葛エリアという、現在の日本国の経済的な中心である「東京」に近い「都市部」で生活していることで、私たちが見えなくなってしまっているもの、考えないで済ませてしまっていること、曖昧なままで放置してしまっているものが少なからずあると、常々考えているから。

 

それは、日常生活の中で「生き延びる」=「いのちを繋ぐ」ということに対する危機感であったり、あるいは自分たちが「生き延びる」ためのベースであるはずの「土地」や「自然」を守りながらそれらと付き合い続けて生きてゆくという覚悟や緊張感であったり、本来は、生命体としての人類が長い歴史の中で当たり前に養ってきた感覚や「生きかた」にかかわることなのだと思う。

 

そして、それらを見失ってしまっているのは、「都市部」に暮らす私たちの中の少なからぬ人間たちが、自分や自分の家族、祖先たちが代々そこに暮らし、守り抜いてきた「土地」や「自然」から離れ、自らの生活基盤を日本の富の多くが集中する中央=東京の近く移すという<選択>をしてきたことと無関係ではないのだろうとも思う。

 

 

他でもない私にしたって、そうだ。

 

自分が生まれ・育った地方都市(…というほど東京からは離れていないものの、自分や地元の人間の意識の中では東京圏からは外れています)の中で10代の頃に感じていた鬱屈した感情を語り出すとキリがないので止めておくけれど、結果として、自分が故郷の「土地」や「自然」から離れ「都市部」で生きるという<選択>を少なくとも20代の前半においてはしたという事実はどうしたって変えようがないし、また、その当時の自分の<選択>が誤っていたと考えている訳でもない。(というよりも、<選択>というものは常に誤りうる可能性を秘めているのだから、私たちはその結果を、後の<未来>になってから振り返り、そのまま受け入れるということしかできない。その時々の<選択>それ自体が正しかったか・間違っていたかと考えることには意味がなく、後からそれを振り返った際に、そこで「何に気付くか?」「どのような学びを得るか?」ということの方がよほど重要なことなのだと思う。)

 

しかしそこには、「根無し草的存在」である己の実存についての不安が、どこにいても・何をしていても、付いて回る。

 

自分の場合、20代の頃に国内外のあちらこちらを旅して回ったあげく、縁あって大学を出て以来ずっと暮らしていた千葉県に腰を落ち着け、そこで生活の基盤を築き、今も仕事をさせて貰っている訳だが、仕事柄、「地域」という言葉は、それこそ日常的に口にしているし、自分たちの実践において外せないキーワードとして強く意識もしている。

 

けれど、本当の意味で「地域」というものを自分(たち)のベース、活動のフィールドとして把握し、その特性を理解し、ありうべき未来の姿を考え、その実現に向けて動くことが出来ているのだろうか?それこそ、「地域共同体」の一員として、そこに暮らす住人たちとかかわり切れているのだろうか?と真剣に考え始めると、自分の中で、何かぐらつくものがあることもまた、事実だったりする。

 

「土地」や「自然」から離れても(忘れても)、それなりの生活を送ってゆけるほどに、今のところ・私たちは経済的なゆとりがある。

(※昨今の「都市部」で広がる貧困の連鎖にかかわる問題は、ここではひとまず脇に置きます。)

しかし、それゆえに私たちには、人が「生きる」ということがどういうことなのか分からなくなってしまっているのではないか?

そんな気がしてならない。

 

 

すこし飛躍した表現になるけれど、そのことについて、もっと真剣になって考え、本気で実践に移してゆかないかぎり、インクルーシブな(包括的な)社会の実現なんてものは、絵に描いた餅に過ぎないのじゃないか?とも思ったりもする。

 

なんかみんな、安易に「地域」という言葉を使いすぎじゃあないのかな・・・?とか。

 

もちろん、「都市部」における「地域」の在り方というのは、いわゆる「地方」におけるそれとは異なる部分があって然るべきであると思うし、もっと言えば、「地方」と呼ばれる場所だって、実は、個々の「地域」における地理・歴史的な背景や特徴・課題などは、様々である。

 

(余談だが、旅人としての目線でもって様々な被災地を移動していると、そういうことにも気付かされる。当たり前のことだが「地方」とか「被災地」とかいう場所が総体として存在している訳ではなく、あくまでも、それぞれの地域もそこに住む人々の暮らしも固有の地理的条件や歴史的な背景の上で、個別的・具体的に存在しているのだ。)

 

 

いずれにしても、私が、東北に足を運ぶたびに痛切に感じるのは、たとえばそんなことだったりするし、そこに行けば、「都市部」に暮らす自分たちの周辺にはまだ見られないような、「土地」や「自然」の<再生>へ向けた人々の実践の息遣いに触れることができる、というのが、わざわざそこへ何度も足を運ぼうと思う動機になっているのだろう。自分たちも被災しながら、事業所のある地域の<再生>に向けた革新的な実践を続けている同業者(事業所)の姿を目にして刺激を貰ったりもするし。

 

だから、私にとって、足を運ぶ場所は、もしかしたら東北でなくても良いのかもしれない。

 

今の自分(たち)の在り方とか、自分(たち)の実践に対して「ちょっと待って、本当にそれでいいの?」と思われてくれるような場所、「向かうべきは、こっちなんじゃないの?」と気付かせてくれるような経験。そういうものを、たぶん私は求めているんだろう。

 

 

でも、何故、東北なのか?と問われれば、それは紛れもなく、そこに「海が生活の一部でもあるような暮らし」があるからなのだと思う。

 

「あの日」あれほど猛り狂った海が、初夏の穏やかな日差しと心地よい風の中、青々とした水を豊かに湛え、海岸線や港に静かに波を打ち寄せている光景を目にしていると、まるで「あの日」の出来事がどこか遠い昔の別の地域での出来事だったのではないかという錯覚に陥りそうになるのと同時に、今・ここにいる自分や人々がこの場所で暮らすずっと前から海(も陸も)はそこにあったし、人々は、ずっとそのような海や自然とどうにか折り合いを付けながら、その「土地」での暮らし、歴史を紡いてきたのだろうということに想いがおよび、何とも言えない感覚に包まれ、思わず涙が出そうになる。

 

それが、私が地元の漁港や海岸、海へと注ぐ河口から徒歩5分ほどの場所で生まれ育ったためなのかどうかは分からないけれど、その時、東北の海が眺めながら私が同時に頭に描いているのは、自分の生まれ故郷の、同じ太平洋の海であったりする訳だ。

 

わざわざ出かけて行った先で、私が見て、考えているのは、自分が一度は捨てたはずの故郷の暮らし、故郷の未来の姿なのかもしれない。

 

本当は、今回の旅で訪れた様々な土地の<魅力>や<美しさ>について書こうと思っていたのだけれど(特に、牡鹿半島~金華山で見た景色、出会った動植物の美しさといったら、それはもう言葉に尽くせぬすばらしいものでした)、思わぬ方向へ話が展開してしまった。結局のところ、どこへ旅をしていても「自分」からは逃れられない、ということなのでしょうね。

 

旅で得た知見や経験を日常へと持ち帰り、日々の実践を通じて「自分」を乗り越えてゆく、それしかないのだと思っています。

 

KIMG0626

東北の芽生え

KIMG0633

KIMG0596

KIMG0449

KIMG0548

KIMG0524

KIMG0643

KIMG0648

KIMG0559


2019年3月
« 2月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

NPO法人 1to1 ワントゥワン

千葉県船橋市前原東3-36-1
» アクセスマップ
営業時間: 9:00~18:00(月~金)

お問い合わせは TEL 047-411-6816

メールでのお問い合わせ

  • リンク集
  • ぐらすグループ